実家、相続したらどうする?300人の意向1位は「売却」30.7%。でも準備はほぼ手つかず
方針が決まった家庭はわずか4.7%、空き家の維持費を知らない人は79.0%。意向と準備に大きなギャップ
親が元気なうちは、なんとなく口に出しづらい「実家の今後」。それでも、いつかは誰かが決めなければならない問題です。あなたの家では、もう話し合えていますか?
株式会社AZWAY(本社:東京都新宿区、代表取締役:井口 梓美)は、親名義の実家がある30〜50代の男女300人を対象に「実家を相続した場合の活用・売却・解体の意向」に関するアンケート調査を実施しました。
調査の結果、実家を相続した場合の意向は「売却する」が30.7%で最多となりました。一方で、家族で「しっかり話し合って方針が決まっている」家庭はわずか4.7%。空き家になった場合の維持費・管理コストを「知らない」人は79.0%にのぼり、意向と準備の間に大きなギャップがあることが分かりました。
本調査では、実家を相続する可能性に加え、相続した場合の意向、今後の悩み・不安、家族での話し合いの状況、空き家の維持費の把握、専門家への相談意向と今のうちにやっておきたいことについて紹介します。
調査概要
- 調査概要
- 実家を相続した場合の活用・売却・解体の意向に関するアンケート(親名義の実家がある方対象)
- 調査対象
- 親名義の実家(親の持ち家)がある30〜50代の男女
- 調査期間
- 2026年6月17日
- 調査方法
- インターネット調査(任意回答)
- 回答者数
- 300人
割合は小数第1位で四捨五入しているため、内訳の合計と一致しない場合があります。 複数回答の設問は、合計が100%になりません。 各設問の割合は、その設問の回答を分母として算出しています。
年代
| 区分 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 30代:153人(51.0%) ・40代:103人(34.3%) ・50代 | 44人 | 14.7% |
本調査はこの記事のために実施した単独の調査です。サイト全体で公表している運営規模の集計とは別の母集団で、合算して読むことはできません。
調査結果サマリー
75.7%
実家を相続する可能性が「ある」人は75.7%(4人に3人)
30.7%
相続した場合の意向1位は「売却」30.7%。活用・手放す・未定がほぼ三つ巴
47.7%
今後の悩み・不安1位は「税金まわり」47.7%、「親が健在で話しにくい」も37.3%
4.7%
「しっかり話し合って方針が決まっている」家庭はわずか4.7%
79.0%
空き家の維持費を「知らない」人は79.0%、把握しているのは2.0%
2.3%
プロに相談できた人は2.3%のみ、「誰に相談すればいいかわからない」が42.0%
調査結果の詳細
【結果1】実家を相続する可能性は?4人に3人が「可能性あり」
- かなり高い(相続予定がある)25.3%(76人)
- 可能性はある50.3%(151人)
- あまりない18.3%(55人)
- 全くない6.0%(18人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- かなり高い(相続予定がある):25.3%(76人)
- 可能性はある:50.3%(151人)
- あまりない:18.3%(55人)
- 全くない:6.0%(18人)
まず、実家を将来相続する可能性を聞きました(n=300・単一回答)。
「かなり高い」と「可能性はある」を合わせると75.7%(227人)。親名義の実家がある30〜50代にとって、実家の相続は4人に3人が当事者になり得る問題です。
【結果2】相続したらどうする?1位は「売却」30.7%、活用・処分・未定が三つ巴
- 売却する30.7%(92人)
- まだ何も考えていない27.3%(82人)
- 自分が住む26.0%(78人)
- 賃貸に出す5.7%(17人)
- 子ども・孫に引き継ぐ3.7%(11人)
- 解体して土地だけにする3.3%(10人)
- 空き家のまま維持する3.3%(10人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- 売却する:30.7%(92人)
- まだ何も考えていない:27.3%(82人)
- 自分が住む:26.0%(78人)
- 賃貸に出す:5.7%(17人)
- 子ども・孫に引き継ぐ:3.7%(11人)
- 解体して土地だけにする:3.3%(10人)
- 空き家のまま維持する:3.3%(10人)
本調査の中心である、実家を相続した場合の意向を聞きました(n=300・単一回答)。
単独の回答では「売却する」が1位。まとめると、住む・貸す・引き継ぐの「活用」派が35.3%(106人)、売却・解体の「手放す」派が34.0%(102人)、「まだ何も考えていない」が27.3%と、ほぼ三つ巴の構図です。
年代別では、30代は「まだ何も考えていない」が32.0%(n=153)と最多でしたが、50代では18.2%(n=44)まで下がり、「売却する」が34.1%で最多に。
相続が現実に近づくほど、「売却」へ意向が固まっていく傾向がうかがえます。
【結果3】実家の今後の悩み・不安は?1位は「税金まわり」47.7%
- 相続税・固定資産税など税金まわりが不安47.7%(143人)
- 活用・売却・解体にかかる費用がわからない39.0%(117人)
- 親がまだ健在で話し合いにくい37.3%(112人)
- 親や家族とまだ具体的に話せていない37.3%(112人)
- 建物が古く、修繕・解体・売却の判断が難しい25.3%(76人)
- 空き家になった場合の管理が不安19.3%(58人)
- まだ現実的に考える段階ではない16.0%(48人)
- 実家が遠方で、今後の管理が難しそう15.3%(46人)
- 実家への愛着があり、手放す判断が難しい15.0%(45人)
- 兄弟・姉妹と意見が合わない9.7%(29人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- 相続税・固定資産税など税金まわりが不安:47.7%(143人)
- 活用・売却・解体にかかる費用がわからない:39.0%(117人)
- 親がまだ健在で話し合いにくい:37.3%(112人)
- 親や家族とまだ具体的に話せていない:37.3%(112人)
- 建物が古く、修繕・解体・売却の判断が難しい:25.3%(76人)
- 空き家になった場合の管理が不安:19.3%(58人)
- まだ現実的に考える段階ではない:16.0%(48人)
- 実家が遠方で、今後の管理が難しそう:15.3%(46人)
- 実家への愛着があり、手放す判断が難しい:15.0%(45人)
- 兄弟・姉妹と意見が合わない:9.7%(29人)
実家の今後について悩みや不安に感じることを聞きました(n=300・複数回答)。1位は「相続税・固定資産税など税金まわりが不安」47.7%でした。
※「特に悩みや不安はない」は3.0%(9人)でした。
上位2つはお金の不透明さ、3位・4位(同率)は「話せていない」ことへの不安で、費用とコミュニケーションの2つが実家問題の二大テーマであることが分かります。
【結果4】家族で話し合えている?「方針が決まっている」はわずか4.7%
- しっかり話し合って方針が決まっている4.7%(14人)
- 一度は話し合ったことがある27.7%(83人)
- 話し合いをしたいが機会がない40.7%(122人)
- 話し合いが難しい状況にある9.3%(28人)
- 特に話し合う必要を感じていない17.7%(53人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- しっかり話し合って方針が決まっている:4.7%(14人)
- 一度は話し合ったことがある:27.7%(83人)
- 話し合いをしたいが機会がない:40.7%(122人)
- 話し合いが難しい状況にある:9.3%(28人)
- 特に話し合う必要を感じていない:17.7%(53人)
実家の将来について、親や兄弟姉妹と話し合ったことがあるかを聞きました(n=300・単一回答)。
最多は「話し合いをしたいが機会がない」の40.7%。
話し合いの意思はあるのに、きっかけがないまま先送りされている家庭が4割を占めました。方針まで決まっている家庭は20軒に1軒もありません。
話し合いの効果は数字にも表れています。
「まだ何も考えていない」(相続後の意向)と答えた人の割合は、一度は話し合った人では16.9%(n=83)だったのに対し、機会がない人では32.8%(n=122)、話し合う必要を感じていない人では34.0%(n=53)。
話し合いの一歩が、意向を固める入り口になっているようです。
なお、相続予定が「かなり高い」人(n=76)に限っても、方針が決まっている人は3.9%(3人)にとどまりました。相続が目前でも、話し合いは進んでいないのが実情です。
【結果5】空き家の維持費を把握している?79.0%が「知らない」
- だいたい把握している2.0%(6人)
- なんとなく知っている19.0%(57人)
- あまり知らない35.3%(106人)
- まったく知らない43.7%(131人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- だいたい把握している:2.0%(6人)
- なんとなく知っている:19.0%(57人)
- あまり知らない:35.3%(106人)
- まったく知らない:43.7%(131人)
実家が空き家になった場合の維持費・管理コストの把握状況を聞きました(n=300・単一回答)。
「まったく知らない」「あまり知らない」を合わせると79.0%(237人)。固定資産税や修繕・管理などのコストは、空き家を持ち続けるか手放すかの判断材料そのものですが、把握できている人は50人に1人しかいませんでした。
売却が1位という意向も、コストの全体像が見えれば変わる可能性があります。
【結果6】プロに相談した?「誰に相談すればいいかわからない」42.0%
- すでに相談したことがある2.3%(7人)
- 相談したいと思っている29.0%(87人)
- 誰に相談すればいいかわからない42.0%(126人)
- 相談するほどではない26.7%(80人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- すでに相談したことがある:2.3%(7人)
- 相談したいと思っている:29.0%(87人)
- 誰に相談すればいいかわからない:42.0%(126人)
- 相談するほどではない:26.7%(80人)
実家の相続・処分についてプロへの相談経験・意向を聞きました(n=300・単一回答)。
最多は「誰に相談すればいいかわからない」の42.0%。「相談したい」と合わせると71.0%(213人)が専門家の力を必要としているのに、実際に相談できた人は2.3%でした。
相続・不動産・税金と論点が複数の専門領域にまたがることが、最初の一歩を重くしているのかもしれません。
また事前に調べておきたい情報についても聞きました(n=300・複数回答)。
- 相続税の計算・節税方法67.3%(202人)
- 売却・買取の価格相場56.3%(169人)
- 解体費用の目安47.0%(141人)
- 親と相続について話し合うタイミング34.0%(102人)
- 空き家のまま維持するリスク32.7%(98人)
- 賃貸に出す場合の手続き・収益性24.3%(73人)
グラフの数値をテキストで確認する
- 相続税の計算・節税方法:67.3%(202人)
- 売却・買取の価格相場:56.3%(169人)
- 解体費用の目安:47.0%(141人)
- 親と相続について話し合うタイミング:34.0%(102人)
- 空き家のまま維持するリスク:32.7%(98人)
- 賃貸に出す場合の手続き・収益性:24.3%(73人)
「親と相続について話し合うタイミング」が34.0%で4位に入り、切り出し方そのものに悩む人の多さがここでも表れました。
【結果7】今のうちにやっておきたいことは?1位は「親と相続の意向を確認」38.0%
- 親と相続の意向を確認しておく38.0%(114人)
- 兄弟・姉妹や家族と話し合っておく19.7%(59人)
- 固定資産税や維持費を確認しておく11.3%(34人)
- 家財整理・片付けについて考えておく8.3%(25人)
- 登記・名義の確認をしておく7.7%(23人)
- 売却・賃貸・解体などの選択肢を調べておく7.3%(22人)
グラフの数値をテキストで確認する
結果は以下の通りです。
- 親と相続の意向を確認しておく:38.0%(114人)
- 兄弟・姉妹や家族と話し合っておく:19.7%(59人)
- 固定資産税や維持費を確認しておく:11.3%(34人)
- 家財整理・片付けについて考えておく:8.3%(25人)
- 登記・名義の確認をしておく:7.7%(23人)
- 売却・賃貸・解体などの選択肢を調べておく:7.3%(22人)
実家の将来について「今のうちにやっておきたい」と最も強く感じることを聞きました(n=300・単一回答)。1位は「親と相続の意向を確認しておく」38.0%でした。
上位2つはいずれも「親・家族との対話」。
やるべき一手は多くの人が分かっている様子で、あとはそのきっかけをどう作るかが課題と言えそうです。
【自由記述】実家の今後、家族で話せている?「縁起が悪い気がして切り出せない」「このままずるずる行きそうで怖い」
自由記述では、話し合えないもどかしさと、動き出した家庭の声が寄せられました。共通するのは、対立ではなく「親が健在なうちは切り出しにくい」という遠慮でした。
回答者の声(一部抜粋・原文の趣旨を保ち要約)
「なんとなく縁起が悪い気がして、タイミングを逃し続けている。」(30代・賃貸に出す)
実家は地方の一戸建てで、将来空き家になる可能性が高く、維持管理や固定資産税が不安。親が元気なうちに話し合いたいと思いつつ、縁起が悪いような気がして切り出すタイミングを逃し続けているそうです。
「話し出すきっかけがなく、このままずるずる行きそうで怖い。」(40代・売却する)
親が健在で具体的に話したことはないものの、遠方の兄弟と県内に住む自分とでは意見も負担も違うはず。今のうちに話し合いたいが、きっかけがないまま先送りになりそうで怖いと感じているといいます。
「突然降りかかってきたらどうしようと不安で仕方ない。」(40代・まだ何も考えていない)
相続税や固定資産税がいくらかかるのか、どんな手続きが必要なのかも全く分からない。兄弟間の揉め事も心配だが、両親が健在のため話を切り出しにくく、不安を抱えたまま止まっているとのことです。
「実家に住む姉に負担が偏らないか心配。」(40代・売却する)
親亡き後、実家に住む姉が1人で住み続けるのか売るのかまだ分からず、対応が先送りになれば高齢になった自分や、さらにその子ども世代に降りかかる。「姉妹で動けるうちに実家を何とかしたい」と語ります。
「兄妹で少しずつ話し始めたので、特に心配はない。」(50代・自分が住む)
古い家の修繕費用や固定資産税への不安はあるものの、遺産相続については兄妹間で少しずつ話し始めており、お互いが理解者同士なので特に心配はないとのこと。早めの一歩が安心につながっている好例です。
これらの回答から、実家問題の壁は家族の対立ではなく「切り出しにくさ」にあり、早めに一歩を踏み出せた家庭ほど不安が小さいことがうかがえます。
【まとめ】
今回の調査では、実家を相続した場合の意向は「売却する」が30.7%で最多となる一方、方針が決まっている家庭は4.7%、空き家の維持費を把握している人は2.0%、専門家に相談できた人は2.3%と、判断の土台となる情報も対話も圧倒的に不足している実態が明らかになりました。
話し合いの最大の壁は対立ではなく、「親が健在なうちは切り出しにくい」という遠慮です。
なお、2024年4月からは相続登記の申請が義務化され、正当な理由なく期限内に登記しない場合は過料の対象となる制度が始まっています(それ以前に相続した不動産も対象で、経過措置の期限は2027年3月31日。詳細は法務局や専門家にご確認ください)。
先送りするほど選択肢は狭まり、負担は次の世代へと移っていきます。回答者が「今のうちにやっておきたいこと」の1位に挙げたのも、38.0%の「親と相続の意向を確認しておく」でした。特別な準備より先に、まず親の考えを聞くこと。
多くの人がそこを出発点に置いていることが、今回の調査からうかがえます。
調査データのご利用について
本調査のデータ・グラフは、Webメディア、テレビ、新聞、雑誌、資料などでご紹介いただけます。
Webサイトでご紹介いただく際は、出典として「イエベース」と本調査ページのURLをご記載ください。
記載例
出典:イエベース「実家、相続したらどうする?300人の意向1位は「売却」30.7%。でも準備はほぼ手つかず」
https://iebase.jp/research/inherited-family-home-intention-survey.html
高解像度画像や調査内容に関するお問い合わせは、イエベースのお問い合わせ窓口からご連絡ください。